「親の住み替えを考えているけれど…高齢者でも借りやすい賃貸住宅はないだろうか?」

こんな悩みを持つ方に知っておいてほしいのが、UR都市機構が提供する「高齢者向け優良賃貸住宅」です。
一般的なUR賃貸住宅とは異なり、高齢者が安心して暮らせるようバリアフリー化や家賃負担の軽減措置が講じられた住宅で、公的な制度に裏打ちされている点が大きな特徴です。

今回は制度の概要から入居条件、メリット、デメリットまでを詳しく解説していきます。

高齢者向け優良賃貸住宅とはどんな制度か?

高齢者向け優良賃貸住宅は「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づき、国から補助を受けて、高齢者が安心して住めるよう住宅の内部を改良した賃貸住宅です。
UR都市機構(独立行政法人都市再生機構)が全国の団地の中で対象住戸を指定し、通常のUR賃貸住宅とは別枠で入居者を募集しています。

単に「高齢者が住める部屋」というだけでなく、高齢期特有の身体機能の変化に配慮した設計になっているのがポイントです。
具体的な改良内容としては床の段差の解消、ドアノブのレバーハンドル化、手すりの設置、設備機器の改善などが挙げられます。つまずきやすい段差をなくし、握力が弱くなっても開閉しやすいレバー式のドアノブに交換し、廊下や浴室・トイレには手すりを設置するなど、加齢に伴う身体的な負担を軽減する工夫が随所に施されているのです。

入居資格の要件

高齢者向け優良賃貸住宅に申し込むためには、いくつかの資格要件を満たす必要があります。

まず年齢面では申込本人の年齢が満60歳以上であることが基本条件です。
単身での入居はもちろん、同居者がいる場合も要件が定められており、申込本人が満60歳以上で、同居者が配偶者、満60歳以上の親族、または特別な事情によりUR都市機構が同居を認める親族であることとされています。

さらに収入面での条件もあります。
一部の住宅では世帯所得月額が48万7千円以下であることが求められ、これに加えて一般のUR賃貸住宅と同様の申込資格を有することも必要です。

年齢・同居家族・所得の3つの条件をクリアしたうえで、通常のUR賃貸住宅申込者と同様の審査を経て入居が決まる仕組みになっています。

家賃が軽減される仕組み

高齢者向け優良賃貸住宅の大きな魅力の1つが家賃負担の軽減制度です。一定以下の所得の方には所得に応じて家賃負担を軽減する措置がとられています。(※一部住宅を除く!)
具体的な減額の基準としては世帯所得月額が15万8千円以下であることが要件として設定されており、この基準を満たす世帯は通常の家賃よりも低い負担で入居を続けることができます。

この家賃減額制度には長期にわたる継続の仕組みも用意されています。もともと家賃減額の期間は20年間とされていましたが、20年間の家賃減額期間の終了時に現に居住している高齢者については退去するまで家賃減額を延長する措置が講じられています。

つまり「長く住み続けている高齢の入居者が家賃減額期間の終了をきっかけに急に負担が増えて住み替えを迫られる」といった事態を避けるための配慮がなされているわけです。あわせて、バリアフリー改修に関する補助率の引き上げなども進められており、既存の住宅ストックを活用しながら高齢者の住環境を継続的に改善していく方向性がうかがえます。

一般のUR賃貸住宅との違い・高齢者向けの支援策

「高齢者向け優良賃貸住宅」はUR都市機構が高齢者世帯向けに用意しているさまざまな取り組みの一環でもあります。

たとえば、すでにUR賃貸住宅に住んでいる方に向けては高齢、障害、疾病または要介護等を理由に階段の昇降が困難になった場合、同一団地内の上階から1階・2階・エレベーター停止階の住宅へのあっせんを行う「住宅変更」という制度もあります。ただし、この住宅変更を利用する場合は現在の住宅の契約を解除し、新たに移転先の住宅で契約手続きを行う必要があり、家賃は移転先住宅の家賃が適用される点には注意が必要です。

また抽選の面でも高齢者世帯への配慮があります。UR賃貸住宅の申込では既にUR賃貸住宅に住んでいる方はその他の申込者に比べて2倍の当選率となるよう優遇されています。高齢者向け優良賃貸住宅に限った措置ではありませんが、住み替えを検討している既存の入居者にとっては心強い制度といえるでしょう。

UR賃貸住宅全般のメリットもあわせて確認しておきたい

高齢者向け優良賃貸住宅を検討する際はUR賃貸住宅全体が持つ特徴も押さえておくと安心です。
UR賃貸住宅は公的な性格を持つ賃貸住宅で礼金・仲介手数料・更新料が不要で保証人も原則不要という特徴があります。高齢になってから新たに賃貸物件を借りようとすると保証人を立てられずに入居を断られるケースも少なくありませんが、UR賃貸住宅であればその心配が少なく、高齢期の住み替え先として選びやすいという側面もあります。

ただし…立地によっては最寄り駅からやや距離があったり、建物自体の築年数が古いケースもあるため、内見や周辺環境の確認は事前にしっかり行うことをオススメします。

まとめ

UR都市機構の高齢者向け優良賃貸住宅は国の法律に基づいてバリアフリー改修が施され、所得に応じた家賃減額措置も用意された、高齢者にやさしい賃貸住宅制度です。

60歳以上という年齢要件や所得要件はありますが、条件を満たせば段差のない住まいで、家賃負担を抑えながら長く安心して暮らし続けることができます。
親世代の住み替えや自身の老後の住まいを考えている方はUR都市機構の公式サイトや最寄りの営業センターで、対象となる住宅や募集状況を確認してみてはいかがでしょうか。

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